父の代でも二度、手続きは止まっていました
父は生前、まず父の叔父や叔母に、次に父の従兄弟に、相続を認めてもらおうとしていたそうです。 しかし一部の反対があり、従兄弟からも「親が反対していたので印鑑は押せない」と言われ、父は諦めていたようでした。 父の遺品を整理していると、晩年にその従兄弟から届いていた和解の手紙が見つかりました。 以前、父から関西地方に連れて行ってほしいと言われたことがありましたが、後から思えば、その手紙のことだったのだと思います。 それも叶わないまま、両親は他界しました。
始まりは、一筆の土地
このサービスは、机上の発想だけで作ったものではありません。 私自身が相続で長く苦労し、「相続関係を正確に確認できる図があれば」 と強く感じた経験から生まれました。

私の実家は、江戸末期からの戸籍を確認できる田舎の農家です。 両親が亡くなり、家や土地を相続することになったとき、 畑や自宅まわりの土地の多くは父名義になっていました。
ところが、自宅が建っている土地だけは違いました。 私から見て曽祖父にあたる人の名義のまま、長い年月が過ぎていたのです。
「住んでいる家の土地なのに、名義は何代も前の人のまま。」
父は生前、まず父の叔父や叔母に、次に父の従兄弟に、相続を認めてもらおうとしていたそうです。 しかし一部の反対があり、従兄弟からも「親が反対していたので印鑑は押せない」と言われ、父は諦めていたようでした。 父の遺品を整理していると、晩年にその従兄弟から届いていた和解の手紙が見つかりました。 以前、父から関西地方に連れて行ってほしいと言われたことがありましたが、後から思えば、その手紙のことだったのだと思います。 それも叶わないまま、両親は他界しました。
弁護士に相談し、時効取得などの可能性も含めて名義を変える方法を検討しました。 弁護士が必要な戸籍を日本の各地から取り寄せていくと、 関係する人の多くはすでに亡くなっており、その相続人をさらに辿る必要がありました。 気付けば曽祖父の代から3〜4世代を辿る調査になり、 亡くなった方も含めて戸籍で辿った人数は数十人に及びました。 最終的に相続人は20数人にのぼっていました。 遠くに親戚がいることは聞いていましたが、 まさかこのような形で一人ひとりをたどることになるとは思っていませんでした。 不思議な気持ちと同時に、先祖がいたから今の自分がいるのだと、改めて実感しました。

弁護士に相続関係説明図を作成してもらい、時間はかかりましたが、 裁判はなんとか無事に終わりました。ここでようやく先が見えたと思っていました。
名義変更を司法書士に依頼したところ、弁護士がExcelで作成した相続関係説明図に、 氏名の誤りや死亡者の取り違えがあることが分かりました。 専門家同士の見解もぶつかり、手続きはさらに長引きました。

専門家同士の見解の食い違いもあり、前の体制ではこれ以上進めにくい状況になりました。 そこで知人から別の司法書士を紹介してもらい、事情を引き継いで手続きを進めてもらいました。 法務局の確認も通り、年末に完了の連絡を受けた日は、家族でお祝いの食事をしました。 弁護士に相談してから終わるまで3年から4年ほど、費用も百数十万円かかりました。
相続では、戸籍の確認も、法律判断も、最終的な申請も専門家に確認・相談すべき大切な部分です。 ただ、弁護士が作成した図でも、氏名の誤りや死亡者の取り違えは起こり得ます。 あのとき、専門家側でも依頼者側でも図の誤りを早く見抜ける道具があれば、 手続きはここまで遠回りしなかったはずです。
もう一つの理由は、個人情報を預かりたくなかったことです。 氏名・本籍・住所・生年月日・親族関係は、 運営者がむやみに集めてよい情報ではありません。 だから家系図先生 Proは、家族情報をサーバーへ預けず、 利用者の端末内で整理し、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の形で確認できる道具として作りました。

氏名・本籍・住所・生年月日といった情報はとても重いものです。 だから、家系図データを外部サーバーへ送らず、端末内で扱う設計を選びました。
文字だけの一覧では見落としやすい関係も、図にすると違和感に気づきやすくなります。 専門家へ相談するときの確認材料にもなります。
相続は、それだけで気持ちの負担が大きいものです。 同じように困っている人が、少しでも早く整理を進められる助けになればと考えています。